おはようございます。アイビディアです。今日は連休最終日ですね。
今朝、AI分野の注目企業、パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies)が2025年5月5日(日本時間)に2025年第1四半期の決算を発表しました。
売上・利益ともに市場予想を上回る好決算でしたが、時間外取引(アフターマーケット)では株価が急落。いったい何が起きたのでしょうか。
売上・利益ともに好調、AIP需要が牽引
今回の決算では、売上高が前年同期比で39%増の8億8,400万ドルと、アナリスト予想(8億8,200万ドル)をわずかに上回りました。特に商業部門(米国企業向け)の成長が著しく、前年比71%増の2億5,500万ドル。政府向け事業でも45%増の3億7,300万ドルと、両輪で堅調に業績を伸ばしています。
この好調の背景には、同社のAIプラットフォーム「AIP(Artificial Intelligence Platform)」への強い需要があります。AIPは、防衛、医療、製造業など幅広い分野で導入が進んでおり、企業の意思決定や業務の自動化に貢献しています。
また、通期の売上見通しも上方修正。従来の37億4,000万〜37億6,000万ドルから、38億9,000万〜39億ドルへと引き上げられました。これは、AIビジネスが引き続き加速するとの見方を示すものです。
アフターマーケットで株価急落、その理由は?
しかし、このポジティブな内容とは裏腹に、決算発表後の時間外取引ではパランティア株が一時8%以上下落しました。年初から株価が60%以上も上昇していた背景もあり、「材料出尽くし」と判断した投資家による利益確定売りが広がったと見られます。
また、同社の現在のPER(株価収益率)は約590倍と、非常に高水準にあります。これは将来的な急成長を織り込んだ価格ですが、逆に言えば少しの減速や懸念材料で大きく売られるリスクもあるということです。
もう一つの懸念は、売上の大部分が米国市場、特に政府との契約に依存している点です。仮に今後、政府予算が削減されたり、契約獲得競争が激化した場合、業績に影響を与える可能性があります。
今後の注目ポイント
パランティアが今後も成長を続けられるかは、以下の点に注目する必要があります。
- 米国以外の市場開拓:現在、売上の約70%が米国市場に集中しており、地域の分散が必要。
- 商業部門の拡大:企業向けAIP導入のさらなる進展が鍵。
- 株価バリュエーションの妥当性:現在の株価はかなり織り込み済みで、利益成長がそれに追いつくか。
まとめ:パランティアは買いか?
パランティアはAI時代を象徴する企業の一つとして、今後も大きな期待を集める存在であることは間違いありません。特に、AIPを軸とした企業の業務自動化支援という分野は、今後もニーズが高まるでしょう。
しかし、株価の水準はかなり高く、今後の成長シナリオにわずかでも陰りが見えると、投資家心理は一気に冷え込む可能性があります。今回のアフターでの株価下落は、その「過剰な期待」が少し調整された結果とも言えるでしょう。
長期的な視点で見ると、AI市場の拡大とともに成長を期待できる銘柄ではありますが、短期的にはボラティリティも大きいため、投資判断は慎重に行いたいところです。
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