2025年5月13日、米国市場に久々の追い風が吹きました。カギは「米中関税の一時緩和」と「4月のCPI下振れ」という二つの好材料。今回はこの“ダブル緩和”が相場にもたらしたインパクトと、今後のチェックポイントを約1,500文字でまとめます。
1. 関税緩和は“タイムセール”──安心だが期限付き
米国は中国製品に課していた追加関税(平均145%)を30%へ、中国も米国製品への125%関税を10%へ――ただし90日間限定。ハイテク部品や再エネ関連など敏感な品目が対象に入り、市場は「実利は小さくても心理的には大きい」と好感しました。
※恒久的な撤廃ではなく「交渉のための休戦」と理解しておくのが無難です。
2. CPIは予想比マイナス0.1pt、インフレ再加速は一服
同日公表の4月CPIは前年比+2.3%(予想+2.4%)。コアCPIは**+2.8%**で横ばいでした。中古車・エネルギー価格の下落が押し下げ要因になり、
「FRBは追加利上げを急がない」
とのムードが拡大。年内利下げシナリオが再点火しています。
3. 市場の反応──小型グロースに資金シフト
- ナスダック:半導体・クラウドなど中国依存度高めの銘柄が4〜5%高
- ラッセル2000:中小型株指数は+1.8%、資金がメガキャップから広がる流れ
- 一方、生活必需品や公益は小動きで、ディフェンシブ姿勢はやや後退
関税に敏感なテック株がストレートに買われた半面、景気敏感セクターの一部には「本当に持続するの?」という慎重論も残っています。
4. 上昇相場は続く? 覚えておきたい“3つのカウンターリスク”
- 90日後の再関税リスク
緩和が延長される保証はゼロ。交渉決裂なら関税は元通りです。 - サービスインフレの粘着性
住居費・医療費は依然強め。5〜6月のCPIでぶり返せば利下げ期待は後退。 - 大統領選ノイズ
秋の選挙戦がヒートアップすれば、対中強硬発言が再燃する可能性大。
5. 投資家が今できること
- ポジション点検:この上げで利が乗ったテック株を一部利確し、現金比率を確保
- イベントカレンダー確認:6月FOMCと次回CPIを要チェック
- ニュース“深読み”習慣:関税見出しの裏にある“例外条項”や“適用除外”に目を通す
まとめ:今は“安心の90日間”。次の波に備えるクールさを
今回の相場上昇は、あくまで期限付きのポジティブサプライズ。短期的に追い風が吹いても、根本リスクが解消されたわけではありません。防御網を畳み切らず、「逃げ道を確保しながら波に乗る」──これが2025年初夏のベストスタンスと言えそうです。
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