トランプ相場乱高下の中で考える今後の投資戦略

米国株

4月の相場急変動を振り返る

こんばんは。お久しぶりです。アイビディアです。

先週末から今週頭にかけての市場の動きは、多くの投資家にとって胃の痛むような展開となりました。信用取引をしている投資家の中には、追証ラインぎりぎりまで追い詰められた方も少なくなかったのではないでしょうか。かくいう私も、本当にギリギリのところまで追い詰められました。。

振り返ると、4月8日に相互関税の影響で株価が大きく下落しました。チャート分析をすると、綺麗な「三空叩き込み」のパターンが見られました。一度は反転して値を戻したものの、中国への追加関税が発表されると再び大暴落という展開に。

TradingViewより

しかし驚くべきことに、その翌日には90日間の相互関税停止が発表され、ニューヨークダウは過去最大の上げ幅を記録するというジェットコースターのような相場となりました。幸いにも、その後は比較的値動きが落ち着きを見せ始めています。

金利上昇とトランプ政権の葛藤

今回の市場動向で特に注目すべき点は、債券市場の反応です。通常であれば株式市場が大暴落する際には、投資家のマネーが「質への逃避」として債券市場に流れ込み、債券価格の上昇(つまり金利の低下)が見られるはずです。

しかし今回は逆に、債券が売られて金利が上昇するという異例の展開となりました。これはアメリカ政府にとって極めて深刻な問題です。というのも、金利上昇はそのまま国債の利払い負担増加につながるからです。

すでに巨額の財政赤字を抱えるアメリカにとって、金利上昇はまさに「アキレス腱」と言えるでしょう。トランプ大統領が急に相互関税発動を90日間延期したのも、この金利上昇の展開を懸念したからだという見方が強まっています。

投資家はどう対応すべきか

このような不安定な市場環境の中で、私たち投資家はどのように行動すべきでしょうか。いくつかのポイントをお伝えします。

1. レバレッジの見直し

今回の急変動で多くの投資家が学んだことは、過度のレバレッジの危険性です。相場が一方向に動くという前提は常に裏切られる可能性があります。特に信用取引については、追証リスクを常に念頭に置いた資金管理が不可欠です。

2. セクターローテーションへの対応

関税問題は全ての企業に均等に影響するわけではありません。中国との貿易に大きく依存している企業と、国内市場中心の企業では、受ける影響が大きく異なります。ポートフォリオのセクター分散を見直し、関税の影響を受けにくい分野への一部シフトも検討する価値があるでしょう。

3. 金利動向に注目

今後の市場展開を予測する上で、金利動向は極めて重要な指標となります。アメリカが金利上昇をどこまで許容できるのか、また、FRBがどのように対応するのかによって、相場の方向性が大きく左右される可能性があります。

4. 流動性の確保

このような不確実性の高い相場では、常に一定の現金比率を保持しておくことが重要です。市場が再び急落した際の「弾薬」として活用できるほか、追加証拠金などの緊急事態にも対応できます。

おわりに

トランプ政権の政策と市場の反応、特に金利上昇という「アキレス腱」を刺激する展開について注視する必要があります。短期的な政策発表に一喜一憂するのではなく、中長期的な経済のファンダメンタルズや金利環境の変化に着目したポートフォリオ構築が、今後ますます重要になるでしょう。

市場がジェットコースターのように乱高下する中でも、冷静さを失わず、リスク管理を徹底することが何よりも大切です。投資とは結局のところ、「生き残る」ゲームなのですから。

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