エヌビディア(NVIDIA)の現状と今後の投資方針について、以下のポイントで整理していきます。
現状のエヌビディア株価考察
2025年に入り、エヌビディアの株価は調整局面が続いています。
年初から約15%下落し、現在の株価は115ドル台で推移しています。
2023年に240%、2024年にも191%という驚異的な上昇を見せた反動や、トランプ政権による関税政策、AIインフラへの過剰投資懸念などが重なり、市場全体の下落に巻き込まれる形で調整が進んでいます。
以下で詳細記載しますが、GTCでエヌビディアの株価も上がると思われたのですが、予想に反し、3%近く下落してしまいました。
これはまだ次世代チップの凄さが消化しきれていない影響や、地合いの悪さも影響したものと思われます。
Tradingviewより
テクニカル面では、株価は現在下降チャネル内で推移しており、短期的には96ドル付近にサポートラインがあります。
さらに深い調整が進んだ場合には76ドル付近まで下落する可能性も指摘されています。
2025年3月18日開催のGTC概要
2025年3月18日に開催されたエヌビディアの年次カンファレンス「GTC 2025」では、多くの新技術・製品が発表されました。特に注目された内容は以下の通りです。
- Blackwell Ultra GPU:現行世代のBlackwell GPUをさらに進化させた次世代GPUで、大規模なAI推論処理や学習性能を大幅に向上させます。2025年後半から提供開始予定。
- GB300 NVL72スーパーコンピュータ:72個のBlackwell Ultra GPUと36個のGrace CPUを搭載し、大規模AIモデル処理能力を劇的に向上させるラックスケールソリューション。
- Nvidia Dynamo:大規模推論処理向けAI専用OSで、複雑なAI処理を効率化します。
- シリコンフォトニクス技術 Spectrum-Xスイッチ:データセンター間接続を高速化・省電力化し、「AIファクトリー」の構築を可能にします。
- Newton物理エンジン:Google DeepMindおよびDisney Researchとの共同開発によるロボティクス向け物理シミュレーションエンジン。
Rubinについて
そして何より注目すべきは、Blackwell Ultraの次世代のRubinです。
Rubinは2026年後半に市場投入予定です。
- CPUとGPUの統合設計
Rubinは、NVIDIAが独自設計したCPU「Vera」とGPU「Rubin」を統合したスーパーコンピュータチップです。このアーキテクチャにより、AI推論やトレーニング処理において大幅な性能向上を実現しています。 - 高性能FP4計算能力
Rubinは、50ペタフロップス(PFLOPs)のFP4計算性能を持ち、従来のBlackwellチップと比較して3倍以上の性能を発揮します。この性能向上は、より密集した演算ユニットや最新の3nmプロセス技術によるものです。 - 大容量メモリと高速メモリ帯域
Rubinは288GBのHBM4(高帯域幅メモリ)を搭載し、メモリ容量が前世代のGrace Blackwellと比べて4.2倍に増加しています。また、メモリ帯域幅は2.4倍に拡張されており、大規模AIモデルの処理を効率化します。 - 次世代プロセス技術
TSMCの3nmプロセスで製造され、高密度かつ高効率な設計が可能になりました。これにより、消費電力を抑えつつ高い演算能力を提供します。 - 拡張性とスケーラビリティ
RubinはNVLinkによる高速接続を活用し、大規模なデータセンター環境での利用にも対応しています。さらに、2027年には4つのGPUダイを統合した「Rubin Ultra」が登場予定であり、さらなる性能向上が期待されています。 - AI推論とトレーニングへの最適化
このチップは特にAI推論やトレーニング作業に最適化されており、自動運転車やロボティクスなどの分野で応用が見込まれています。また、高速な推論処理を可能にする新しいソフトウェアスタック「NVIDIA Dynamo」とも連携します。 - エネルギー効率の向上
消費電力最適化にも注力しており、高いエネルギー効率を実現。これにより、大量の電力を必要とするAI処理でも環境負荷を軽減します。
どうでしょう。Rubinが投入される頃には、生成AIも今以上に人間の知能に近づいていてAGIも近いはずです。
今後の投資方針
現在、フィア&グリード指数が20と低水準(25未満)かつVIX指数が21.63と20以上なので、もちろん慎重さ必要ですが、買い増しを検討するタイミングと考えられます。
ただし、2022年にも見られたような「だまし上げ」の可能性もあるため、一度に大きく買わずコツコツと分散投資する戦略が望ましいでしょう。
AAII(米国個人投資家協会)のセンチメントや上記のフィア&グリード指数などから判断すると、市場全体として底値圏に近づきつつある可能性があります。
しかし、市場環境が不安定であることや地政学的リスク(特に米中関係や輸出規制問題)も存在するため、短期的な反発狙いよりも中長期的視点での投資が重要と考えます。
エヌビディア自身も、今後数年間はAIインフラ需要が継続すると見ており、特にBlackwell GPUシリーズによる市場シェア維持・拡大戦略を継続しています。
まとめ
エヌビディアは短期的には調整局面ですが、中長期的には依然として成長余地があると思います。
スターゲートプロジェクトも、以下の記事のように、順調に進んでいます。
「スターゲート」施設第1号、エヌビディアの先端半導体40万基設置へ – Bloomberg
今回のGTC 2025で示された新技術・製品群は同社の競争優位性を支える重要な要素となるでしょう。
エヌビディアマニアの私としては、コツコツ買い増していくつもりです。
それでは、今回はこのへんで。
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