【投資コラム】損切り、してますか?|「ガチホ」と「撤退」の境界線を考える

米国株

こんにちは、アイビディアです。

2025年も相場の波が激しいですね。上がったと思ったら下がり、安心したと思ったらまた不安が襲ってくる…そんな中、私たち投資家にとって永遠のテーマとも言えるのが「損切り」です。

みなさんは、損切り、していますか?

「ガチホ(=ガチでホールド)」が正義という考え方もありますよね。「いずれ戻るから売らない」「下がっても持ち続ければ問題ない」と。でも、私自身、これまで何度も損切りを避けて後悔した経験があります。

今日は、なぜ損切りが重要なのか?どうすれば損切りを上手に実行できるのか?について、じっくりお話していきます。


■そもそも損切りとは何か?

損切りとは、保有している株などの資産が下落したときに、損失を確定させて売却することです。

たとえば、100ドルで買った株が90ドルまで下がったときに売る。それが損切りです。

この行為は、「負け」を認めるようで抵抗を感じる方も多いでしょう。ですが、実はこの“負け”を認めることこそが、投資家として次のチャンスを掴むためのステップなんです。


■なぜ損切りが大切なのか?3つの理由

① 損失を拡大させないため

下がった株を「そのうち戻るだろう」と持ち続けていると、さらに価格が下落し、損失がどんどん膨らむ可能性があります。

10%の損失は、まだリカバリー可能です。でも、30%、50%と下がると、元の水準まで戻るのに何倍もの上昇が必要になります。

  • 10%下落 → 11.1%の上昇で戻る
  • 50%下落 → 100%上昇でようやく元に戻る

このリスクを避けるためには、「小さな負けで済ませる」=損切りの判断が不可欠です。

② 資金の流動性を確保できる

「塩漬け株」をずっと持ち続けていると、次の投資チャンスに資金を使えないという問題があります。

成長企業に投資したくても、すべての資金が含み損銘柄に縛られていたら動けません。

損切りは、「より良い選択肢に乗り換えるための行動」と考えるとポジティブに捉えられるようになります。

③ 精神的ストレスを減らせる

含み損を見続けるのって、正直しんどいですよね…。

「売るに売れない」「でも上がらない」「下がるのを見るのがつらい」──こうしてストレスが溜まっていくと、冷静な判断ができなくなり、さらに悪い選択をしてしまう可能性があります。

一度損切りすることで、気持ちがリセットされ、前向きな気持ちで次に進めるようになります。


■「そのうち戻る」は本当に正しいのか?

よくある誤解の一つに、「持ち続ければいずれ戻る」という考え方があります。

たしかに、大型株やインデックスなら長期的には回復する可能性もあります。でも、個別株、特に新興企業や成長株は一度落ちたら戻らないケースも多いです。

たとえば:

  • 楽天(4755):一時は1,600円を超えていた株価が、現在は500円台に。携帯事業への投資で業績が悪化し、元の株価に戻る見込みは見えません。
  • ズームビデオ(ZM):パンデミックで急騰後、業績鈍化で株価は大きく調整。コロナ特需を失った後は、回復には時間がかかるか、そもそも戻らないかもしれません。

このように、「そのうち戻るだろう」という期待だけでは通用しない場面が、実際の投資では頻繁に起こります。


■効果的な損切りのための具体的な方法

損切りが大事だと分かっていても、実行するのは難しいですよね。だからこそ、仕組み化とルール作りがカギになります。

① 事前にルールを決めておく

感情に左右されないために、「●%下落したら売る」というマイルールを作っておきましょう。

  • 成長株:▲7~10%で損切り
  • 安定株やETF:▲5~7%で損切り

目安は人それぞれですが、「迷ったら売る」というくらいでも良いかもしれません。

② ストップロス注文を活用する

多くの証券会社では、「逆指値注文(ストップロス)」が利用できます。

特に米国株は深夜に取引されるため、リアルタイムで対応できない日本人投資家にとって、これは必須ツールです。

あらかじめ損切りラインを設定しておけば、自動的に売却され、感情に左右されずに損失をコントロールできます。


■「損切り=悪」ではない

損切りというと「失敗」「負け」というネガティブな印象を持つ方が多いかもしれませんが、それは違います

損切りは、あくまで資産を守るための戦略的な行動です。

むしろ、損切りができないほうが、長期的に見て大きな損失を生むリスクが高くなります。

「負けを小さく抑えること」こそ、投資で生き残るための最も重要なスキルだと思います。


■まとめ:心を鬼にして、冷静に判断する

損切りは、決して気持ちの良い行動ではありません。

ですが、損切りによって

  • 大きな損失を防げる
  • 新たな投資機会に資金を回せる
  • 精神的にも楽になれる

という3つのメリットがあります。

「そのうち戻る」と思い込まず、現実を見て判断することが投資家としての成長につながると私は考えています。

最後に一つだけ、強くお伝えしたいことがあります。

「損切り」は、逃げではありません。
次のチャンスに進むための“前向きな撤退”です。

ぜひ、みなさんも自分なりの損切りルールを作って、それを実行できる強さを身につけてくださいね。

今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

それではまた!

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