おはようございます、アイビディアです。
今回は、投資初心者の方でも実践しやすいことで知られる「ダウの犬戦略(Dogs of the Dow)」についてご紹介します。
この戦略は、アメリカの代表的な株価指数「ダウ・ジョーンズ工業株平均(NYダウ)」に基づき、配当利回りの高い銘柄を選んで投資するシンプルな手法です。
難しい分析は一切不要。配当を重視した、堅実な投資を始めたい方におすすめの戦略です。
■ダウの犬戦略とは?
この戦略では、NYダウ30社の中から配当利回りが高い10社を選び、均等に投資します。
配当利回りとは、株を保有することで受け取れる配当金が株価に対してどのくらいの割合かを示したもの。
例えば、配当金が年間10ドル、株価が200ドルなら配当利回りは5%です。
「配当利回りが高い=株価が相対的に割安」という考えに基づいており、「割安な優良株を安く買って、将来の値上がりと配当を狙う」というシンプルな戦略です。
■運用の流れは簡単4ステップ
- 銘柄選定:年末時点で、NYダウ構成銘柄の中から配当利回りが高い10社を選ぶ
- 均等投資:その10銘柄に同額ずつ資金を振り分ける
- 1年間保有:特に売買はせず、原則1年間は保有し続ける
- リバランス:翌年末に再度配当利回りを見て、新たな10社を選定
これだけです。
■過去のパフォーマンスは?
この戦略は1980年代から検証されており、長期的に見ると市場平均を上回るリターンを出してきた実績があります。
- 1973年〜1988年:年平均18.4%(ダウ平均は10.9%)
- 1996年〜2016年:ダウの犬 6.91%、ダウ平均 6.23%
- 2012年〜2022年:ダウの犬 11.6%、ダウ平均 12.2%
- 2018年〜2023年:ダウの犬 5.29%(やや控えめ)
短期的に市場に劣る年もありますが、長期で見れば堅実な成果を残しているといえるでしょう。
■初心者におすすめな理由
この戦略が初心者向けとされるのには、いくつかの理由があります。
✔ 銘柄選定が簡単
NYダウの構成銘柄はたったの30社。配当利回りを見て上位10社を選ぶだけなので、難しい分析は不要です。
✔ リスク分散になる
10社に均等に投資することで、一社の不調が全体に与える影響を軽減できます。
✔ 精神的にラク
1年間は基本的に保有するだけなので、短期的な値動きに振り回されることが少なく、ストレスも減りやすいです。
■注意すべきポイント
⚠ 株価下落の可能性もある
高配当=安全というわけではなく、業績悪化などで株価が下がっているケースもあります。配当利回りだけで判断するリスクは念頭に置いておきましょう。
⚠ 毎年の見直しは必須
戦略の肝は「年に一度の銘柄見直し(リバランス)」です。放置せず、定期的なメンテナンスが求められます。
⚠ 為替リスクもある
米国株で運用する場合、円高・円安による為替の影響も無視できません。長期的には分散効果で吸収されやすいですが、気になる方はETFでの代替も検討を。
■日本株でも応用できる?
「ダウの犬戦略」は、アメリカ市場に限った話ではありません。日本でも似たようなアプローチが可能です。
例えば、「TOPIXコア30」や「日経平均採用銘柄」などの中から、配当利回りの高い企業を選んで同様の手法を取ることで、“和製ダウの犬戦略”として運用が可能です。
また、高配当ETF(例:1478・1651など)を活用することで、個別株に詳しくなくても似たような効果を狙うこともできます。
■まとめ|長期・堅実に取り組む人に向いた戦略
「ダウの犬戦略」は、
- 高配当銘柄に
- 年1回だけ投資判断を行い
- シンプルに運用する
という、誰でも実践しやすい投資手法です。
過去のデータからも分かるように、地味ながらしっかりと結果を出してきた戦略であり、特に「安定した運用を目指したい」「頻繁に売買したくない」という方におすすめです。
まずは少額からでも構いません。自分の投資スタイルに合うかを試す意味でも、チャレンジしてみる価値はあると思います。
それでは、今回はこのあたりで!この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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