エヌビディア決算は5月28日発表──最新予想と過去3回の株価リアクションを総ざらい

米国株

1. 今回のコンセンサス予想

ウォール街では売上高 4,270〜4,326億ドル、EPS 0.73〜0.88ドルがメインシナリオです。FactSet 集計では上限寄りの 0.88 ドル/4,326 億ドル、Kiplinger は 0.73 ドル/4,320 億ドルを提示し、Nasdaq は 4,271 億ドルを想定しています。会社側ガイダンスは「43 0±2% 億ドル」で、在庫評価損 55 億ドルの影響を含みつつも AI 需要の強さが続くとの見方です。

注目ポイント

  • データセンター売上が全体の 7 割超を占めるか
  • 中国向け輸出規制によるシェア低下と在庫調整
  • GTC で発表済みの NVLink Fusion や Blackwell 世代の受注状況

2. 過去3回の決算と株価リアクション

決算発表日売上高 (YoY)EPS (GAAP)翌営業日の株価主因
Q2 FY252024/8/283.0 兆円 (+122%)0.67 ドル-6.4%売上・EPSはビートしたものの、
① 粗利率ガイダンスが75%前後と鈍化予想
② Blackwell量産がQ4へ後ろ倒し
──「伸び率が物足りない」との失望売りが優勢
Q3 FY252024/11/203.5 兆円 (+94%)0.78 ドル-2.3%(時間外)決算自体は好調だが、
① 次四半期売上見通しが“やや上”程度
② Blackwell発売待ちで材料出尽くし〉感が広がり、短期筋が利益確定
Q4 FY252025/2/263.93 兆円 (+78%)0.89 ドル-8.0%① 24年度で3桁成長が一服・粗利率71%へ低下予告
② 中国向け輸出規制とDeepSeek台頭で競争激化懸念
──今後の伸び鈍化が意識され大幅下落

傾向まとめ

  1. 実績は常にビートするが、ハードルが高すぎると売られる
  2. 決算翌日の値幅は ±2〜8% と高ボラティリティ
  3. 中期では AI 投資テーマが再評価され、急落後の戻りも早い

3. 5月28日に向けたシナリオ分析

強気シナリオ

  • 生成AIインフラ需要が加速し、売上ガイダンスが再び 50 0億ドル台へ
  • Blackwell GPU の量産スケジュールが前倒しで示される
  • 中国以外のクラウド各社による“駆け込み発注”が可視化

→ 株価は 10%前後の上昇も視野。

中立シナリオ

  • コンセンサス通りの数値で、ガイダンスも ±2% の範囲
  • 在庫評価損が一過性と強調されるが、粗利率は横ばい

→ 値動きは ±3%以内で推移、AIブーム全体の牽引役は継続。

弱気シナリオ

  • 米国の追加輸出規制が影響し、データセンター成長率が 50% 未満へ鈍化
  • 粗利率ガイダンスが市場予想を下回る
  • 競合 AMD・インテルの新 AI チップ納入が顧客分散を加速

5〜10%超の下落も。直近 3 決算と同様、失望売りが先行。


まとめ

エヌビディアの決算発表は AI バブルの温度計。過去 3 回は好決算でも“高すぎる期待値”が株価を押し下げました。今回は 売上 4.3 兆円突破が見込まれる一方、粗利率と在庫調整が注目点。短期トレードならボラティリティに備えつつ、中長期では AI インフラの構造的成長をどう評価するかが鍵になります。決算当日のアフター取引から翌日寄り付きまで、板の薄い時間帯の値動きには要警戒です。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。

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