こんにちは。今日は確定申告の申告期限ですね。
株式投資をしていると、どうしても損失が出てしまうことがありますよね。でも、実はこの損失を上手に活用することで、所得税の節税につながる制度があるのをご存知でしょうか?それが「損益通算」と「繰越控除」です。今回は、この2つの制度について分かりやすく解説します。
損益通算とは?
損益通算とは、上場株式等を売却した際に生じた譲渡損失を、その年の配当所得と相殺することができる制度です。
例えば、2024年に株式を売却して200万円の損失が出てしまった場合、同じ年に株式の配当金で10万円の利益があったとします。この場合、以下のような計算になります。
- 譲渡損失:−200万円
- 配当所得:+10万円
合計すると年間で190万円の損失となります。このとき、配当金からは源泉徴収されている税金(約20%)がありますが、確定申告で損益通算を行うことで、この源泉徴収された税金が還付されます。
繰越控除とは?
では、その年の利益だけでは相殺しきれないほど大きな損失が出た場合はどうなるのでしょうか?その際に活用できるのが「繰越控除」です。
繰越控除とは、その年に控除しきれなかった譲渡損失を翌年以降3年間にわたり繰り越し、その間に発生した株式の譲渡所得や配当所得から控除できる制度です。例えば、2024年に700万円の譲渡損失が発生した場合、
- 2025年に200万円の譲渡益があれば、それを700万円の繰越損失から差し引き、残り500万円をさらに翌年以降へと繰り越せます。
- 2026年・2027年にも利益があれば、残った500万円分(700万円−200万円)を引き続き控除できます。
ただし、この制度を利用するためには、毎年連続して確定申告を行い、「確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益計算及び繰越控除用)」など必要書類を添付することが条件となります。取引がない年でも確定申告は必要なので注意しましょう。
注意点とポイント
これらの特例を利用する際にはいくつか注意点があります。
- 損益通算や繰越控除は上場株式等に限られます。非上場株式は対象外です。
- 特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合でも、確定申告することで制度を利用できます。
- 繰越控除は最大3年間です。その間に取引がなくても毎年申告書類を提出する必要があります。
まとめ
上場株式で大きな損失が出たとしても、「損益通算」と「繰越控除」を活用することで節税効果があります。ただし、この制度を利用するには毎年確定申告が必要になるため、忘れずに手続きを行いましょう。
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